「ホントだよね、何を思って宏美に固執しているんだろうね」

そう言った心美に、
「宍戸くんも迷惑だよね。

毎日のように清水から呼び出しをくらわれて、本当に哀れだよ」

里菜は言った。

「あんまりひどいようだったら、先生に言って注意してもらった方がいいのかな?」

心美は里菜に聞いた。

「うーん、どうなんだろう…」

里菜が腕を組んで考え込んだ時、宏美が教室に戻ってきた。

辟易としているその様子に、また清水から告白を受けたんだと心美は思った。

「それにしても、清水も清水だよね。

宍戸くんのことをさっさとあきらめて次に行っちゃえばいいのに」

そう言った里菜に、
「ホントだよね」

心美は言った。

「重たい女は嫌われるわよ~」

里菜は頬に手を当てると、うんうんと首を縦に振ってうなずいた。