なのに、不覚にも彼にドキドキしてしまっている自分がいた。

(何でなんだろう?

どうしてなんだろう?)

宏美を見ると心臓がドキドキして、気持ちが全くと言っていいほどに落ち着かない。

子供の頃からずっと一緒にいたはずなのに、どうして彼を意識してしまっているのか、自分でも全くと言っていいほどに理解ができなかった。


部活が休みのその日、心美は自宅でフルーツポンチを作っていた。

「よし、できた!」

我ながらよくできたので、心美はそれを持って宏美の家を訪ねた。

「フルーツポンチを作ったんだけど、一緒に食べない?」

そう言った心美に、
「うん、いいよ」

宏美は返事をすると、自宅に入れてくれた。