「もう1つの条件や」

神様が言った。

「ああ、そう言えば…」

(俺を“復活”させた後で、もう1つの条件を言うみたいなことを言ってたな)

心の中で呟くと、宏美は髪を耳にかけた。

指に触れたその髪はとてもサラサラとしているうえに、甘い香りがした。

「それで、もう1つの条件と言うのは?」

宏美が聞いたら、神様はじっと見つめてきた。

「な、何ですか?

肉体は女かも知れませんけど、中身は男ですよ?

俺、そう言う趣味ないんで」

あまりにも自分のことを見つめてくる神様に言ったら、
「アホ、わしもそんな趣味ないわ」

またツッコミを入れられたのだった。

「じゃあ、何ですか?

早く条件と言うものを言ってくださいな」

宏美は急かすように神様に言い返した。