「おっと、もうこんな時間だ」
モアイ像は夕飯のことを思い出すと、腰をあげた。
「あー、すっかり遅くなったみたいだな。
何かごめんな」
そう言った宏美に、
「いや、おもしろい話が聞けてよかったよ。
今後の展開があったらまた聞かせてな」
モアイ像はヒラヒラと手を振ると、キッチンへと足を向かわせた。
「だから、ないってば!」
言い返した宏美だったが、モアイ像の耳には入っていないようだった。
カチリとガスコンロをつけて夕飯の続きを始めたモアイ像を確認すると、宏美はアコースティックギターを使って指ならしを始めた。
次第と気分が乗ってくるのが、自分でもよくわかった。
選曲は、村下孝蔵の『踊り子』である。
低いけれど澄んだ声で歌い始めた宏美の姿をモアイ像はキッチンから見つめた。
モアイ像は夕飯のことを思い出すと、腰をあげた。
「あー、すっかり遅くなったみたいだな。
何かごめんな」
そう言った宏美に、
「いや、おもしろい話が聞けてよかったよ。
今後の展開があったらまた聞かせてな」
モアイ像はヒラヒラと手を振ると、キッチンへと足を向かわせた。
「だから、ないってば!」
言い返した宏美だったが、モアイ像の耳には入っていないようだった。
カチリとガスコンロをつけて夕飯の続きを始めたモアイ像を確認すると、宏美はアコースティックギターを使って指ならしを始めた。
次第と気分が乗ってくるのが、自分でもよくわかった。
選曲は、村下孝蔵の『踊り子』である。
低いけれど澄んだ声で歌い始めた宏美の姿をモアイ像はキッチンから見つめた。