「何が悲しくてヤローとつきあわなきゃいけねーんだ!?

あいにくだけど、俺はそんな趣味は持ってねーからな!?」

「生前は男に告白されたことはなかったの?」

そう聞いてきたモアイ像に、
「なかったね」

宏美のフンと鼻息を吐いた。

「と言うか…まさかとは思うけど、俺の正体に気づいてるって言う訳ないよな?

だって、ミヒロのことを前から一緒にいたような気がするみたいなことを言ってたし」

宏美は自分の顔を両手で挟むようにして当てた。

「いや、気づいてないと思うぞ。

少なくとも、中の人が君だと言うことは知らないと思う」

そう言ったモアイ像に、
「だといいけど…」

宏美はそう返事をすることしかできなかった。