「親父みたいに会社のことしか頭に考えていない人間になりたくないんだ。
そのせいで、母さんは死んだんだ。
母さんが癌になって死にそうな時だって、あいつは仕事を優先してたんだぜ?
手術の時だって、あいつは母さんのそばにいなかった。
あの兄貴だって仕事で忙しいのに、わざわざ自分の時間を割いてまで見舞いにきてくれたのに。
亡くなる直前まで仕事仕事で…母さんは、誰にも看取られることなく病室のベッドのうえで1人でこの世を去ったよ」
ドクン…と、宏美の心臓が奇妙な音を立てた。
「1週間が経ったら、俺ははっきりと言うつもりだよ。
会社を継がずにミュージシャンとしてやって行くことと…」
小祝はそこで言葉を区切ると、
「あんたは俺の父親じゃない、って」
と、言った。
そのせいで、母さんは死んだんだ。
母さんが癌になって死にそうな時だって、あいつは仕事を優先してたんだぜ?
手術の時だって、あいつは母さんのそばにいなかった。
あの兄貴だって仕事で忙しいのに、わざわざ自分の時間を割いてまで見舞いにきてくれたのに。
亡くなる直前まで仕事仕事で…母さんは、誰にも看取られることなく病室のベッドのうえで1人でこの世を去ったよ」
ドクン…と、宏美の心臓が奇妙な音を立てた。
「1週間が経ったら、俺ははっきりと言うつもりだよ。
会社を継がずにミュージシャンとしてやって行くことと…」
小祝はそこで言葉を区切ると、
「あんたは俺の父親じゃない、って」
と、言った。