(ヤバい、もうジョーダンじゃなくて頭痛がしてきた…)

宏美は両手で頭を抱えたくなった。

頭の中に浮かんだのは、心美の存在だった。

(いっそのこと、俺が幸せになったら心美も自分のために頑張ろうって思うんじゃないか…?)

宏美はそんなことを思ったけれど、すぐに消した。

(そんなことをしたって、無理だよな。

せめて、あいつが幸せになるところを見なければ俺は幸せになることはできない。

まずは心美が幸せにならないと…)

「ミヒロちゃん?」

小祝に名前を呼ばれて、宏美はハッと我に返った。

「対象には入れたくないかも知れないけど、一応は考えてね?

ミヒロちゃんからの返事、いつでも待ってるから」

そう言って、小祝は微笑んだのだった。