小祝はやれやれと言うように息を吐くと、
「何でなんだろうな」
と、自嘲気味に呟いた。

「えっ、何がですか?」

宏美は聞き返した。

「公園で一緒に弁当を食べた時も思ったけど、ミヒロちゃんといると何だか安心するんだ。

もっと前からミヒロちゃんと仲が良くて、こうして話をしていたような気がするんだ」

小祝は答えた。

「そ、そうなんですか…」

(そりゃ、そうだろうな。

見た目は“日出ミヒロ”かも知れないけど、中身は“宍戸宏美”なんだから)

宏美は曖昧に笑いながら返事をしたのだった。

「だから、ミヒロちゃんを前にしたらいろいろと話をしたくなるんだろうな」

小祝はハハッと小さく笑った。