「小祝さん、大丈夫かな?」

小祝の後ろ姿が見えなくなると、大山は呟いた。

(大丈夫じゃないだろうな…)

宏美は小祝の様子が気になった。

「あたし、ちょっと見てきます」

宏美は大山と青木に声をかけると、小祝の後を追った。

小祝の姿を探すと、自販機の隣に置いてあるベンチに彼は座っていた。

宏美は小祝のところへ歩み寄ると、
「小祝さん?」
と、声をかけた。

小祝はハッとしたように顔をあげると、
「何だ、ミヒロちゃんか」
と、どこか安心した様子を見せた。

「隣、座ってもいいですか?」

小祝の隣を指差した宏美に、
「うん、いいよ」

小祝が返事をしたことを確認すると、宏美は隣に腰を下ろした。