島田はカホたちの視線を向けると、
「と言う訳なので、今回は…」
と、言いにくそうに声をかけた。

カホは悔しそうに唇を閉じて、カホの父親はまるで当てつけだと言わんばかりに息を吐いた。

「それでは、我々はこれで失礼します」

警察官は敬礼をした後で、その場から立ち去った。

彼らの後を追うように、島田とカホたちもその場から立ち去ったのだった。

この場が静かになったとたん、
「青木さん、ありがとうございます」

小祝は青木にお礼を言った。

お礼を言われた青木は首を横に振ると、
「ついカッとなってやっちゃったことだから」

エヘヘと舌を出したのだった。

「ちょっと便所に行ってきます」

小祝はそう声をかけると、その場から立ち去った。