自分と同じことを思っていた大山に、ミヒロは心の中でホッとしていた。

「それからな、お前のことを心配して、婚約者のカホさんとそのお父さんもきているんだぞ」

島田が言った。

「マジかよ…」
と、小祝。

「婚約者って…」
と、大山。

「何これ、修羅場?」
と、ミヒロ。

何とも言えない状況に、ただどうすればいいのかわからない。

その状況に、
「いっちゃん!」

ゴスロリ姿の女とロマンスグレーのスーツ姿の中年男が現れた。

どうやら、彼らが婚約者のカホとその父親みたいだ。

彼らを連れてきた警察官も、この状況にオロオロすることしかできないようである。

(と言うか、今どきゴスロリって…)

あまりにもハデな格好をしているカホに、ミヒロは呆れることしかできなかった。