「幼なじみのままでも、宏美のそばにいることができるならばそれでもよかった…。

例え私の思いが報われなくても、宏美と一緒にいられるなら幼なじみのままでもいいって思ってた…」

「心美…」

名前を呼んだ宏美に心美は微笑んだ。

「宏美、本当なんだよね…?」

そう聞いた心美に、
「ああ、本当だ。

俺は、心美が好きだ」

宏美は答えた。

「私、すごく嬉しい…。

宏美は鈍いから、私の気持ちなんて絶対にわからないって思ってた…」

「鈍いって言うな、鈍いって」

「だって、本当のことなんだもん」

確かに、心美の気持ちを聞くまで宏美は何もわからなかった。

心美の好きな人が自分だと言うことにも、気づくことができなかった。