心美の目が大きく見開いた。

「えっ…?」

心美が宏美をじっと見つめた。

「わかってる、心美に好きなヤツがいることはわかってる。

だけど、俺は心美が好きなんだ。

俺の前から心美がいなくなったら嫌だって思ってる」

「…それ、本当なの?」

そう聞いてきた心美に、
「ああ、本当だ…って、えっ?」

宏美は聞き返した。

「私…宏美のことが、ずっと好きだったの…」

心美が泣きながら言った。

「ああ、うん…」

宏美はどう返事をすればいいのかわからなかった。

(心美の好きなヤツって…もしかしなくても、俺なのか?)

「でも、宏美は昔から鈍いから…」

そう言った心美に、
(…やっぱり、そうらしい)

宏美は思った。