「ちょっと待って、看護師さんを呼んでくるから」

心美はそう言うと、宏美の前から立ち去った。

すぐに医師と看護師と一緒に、心美が病室に戻ってきた。

簡単な検査と傷の具合を見てもらうと、医師と看護師は病室を後にした。

病室に残ったのは、宏美と心美だけになった。

「あれから、何日が経ったんだ?」

そう聞いた宏美に、
「今日で2日かな」

心美は答えた。

つまり、自分は丸1日は眠っていたと言うことである。

「学校はどうしたんだ?」

続けて質問をした宏美に、
「今日は土曜日だから休みだよ」

心美は答えると、ベッドの横に置いてあるパイプ椅子に腰を下ろした。

「そうか…」

宏美は呟くように返事をした。

その場に沈黙が流れた。