「美結、帰ろう」

 そんな私の手を取ってくれる、大和さん。
 
「……はい」

 私はその大和さんのその手を、ギュッと取って立ち上がった。

「っ……え?」

 そしてその瞬間に、私をそっと抱きしめてくれる大和さん。

「美結、これからも俺のそばにいろ」

「え……?」

「美結のそばにいれるのは、俺だけだと思ってるんだけど」

 そんな大和さんからの突然の愛の告白に、私の涙は引っ込んでしまった。

「あっ……はい」

「なんだ、違うのか?」

「いえ。……違いません」
 
 私だってずっと、大和さんのそばにいたいって思ってる。
 大和さんは、私にとって希望の光なの。あなたが私を変えてくれたんだよ。

「大和さん……ありがとうございました」

 私はあなたに出会えて、本当に良かったと思ってる。 あの日あなたに助けてもらえてなかったら、私はきっと変われてなかった。
 前を向くことも出来ずに、きっと殻に閉じこもったままだったかもしれない。
 
「美結。あの日俺、お前に言ったよな」

「え……?」

「お前は、俺のためだけに生きろって」

「……はい」

 大和さんは、私が【生きるのが怖い】と言ったら、私にそう言ってくれた。
 【お前は俺のためだけに生きろ】って。

「その言葉、これからも守ってくれるのか?」

「……はい。守ります」

 私は大和さん、あなたのためだけに生きたい。
 ーーー本当に、本当にそう思えるの。