「大和さん、私も……」

「え?」

「私も……一緒に行かせてください」

 大和さんにばかり甘えていても、仕方ない。そう思った。
 
「でも……大丈夫なのか?」

 心配そうに私を見つめる大和さん。

「……もう、逃げたくないんです」

「美結……」

「逃げたくないんです、私。……自分の力で、ちゃんと前を向いて歩いていきたいんです」

 大和さんにばかり頼っていたら、私は何も出来ない人間になってしまう、そんな気がした。
 自分で考えて、自分の力で立ち上がって、勇気を出すことも大事なことなんだと思ってるから。
 だから私は、もうこれ以上逃げたくない。

「お願いします、大和さん。 私も一緒に、行かせてください」
 
 私は大和さんに、精一杯頭を下げた。

「……分かった。美結がそこまで言うなら、一緒に来い」

「はい。 ありがとうございます」

 私もすぐに出かける準備をした。 そして大和さんの車に乗り込み、そのまま警察署へと向かった。



◇ ◇ ◇
  


「ではこちらは、証拠としてお預かりさせて頂きます。 ご協力、ありがとうございました」

「よろしくお願いします」

「……ありがとう、ございました」

 警察署ではその証拠を元に、猛のことを警察官から色々と聞かれた。
 でも前を向くと決めたから、今まであったことを全て話すことが出来た。

「よく頑張ったな、美結」

「……ありがとう、大和さん」

 大和さんのおかげだよ。