「美結、俺今から警察署に行ってくる」

「警、察署……?」

 大和さんは翌日の朝、私にそう言ってきた。

「美結が昨日暴力受けてたことを、警察署に行って話してくる。……後、前からアイツに暴力受けてたこともな」

「……でもっ……」
 
 また警察に行っても、どうせ警察は何もしてくれない……。私だって何度も警察に行ったけど、取り合ってもらえなかったから。

「大丈夫だ、俺がちゃんと話してくるから」

「でも……また同じだと思う。どうせまた、取り合ってもらえないよ……」

 私がそう言うと、大和さんは私の頭を優しく撫でた。

「大丈夫だよ、美結。証拠はちゃんと残したから」

「え?残した……?」 

 証拠を残したって、どういうこと……?
 頭にハテナが浮かぶ私に、大和さんは「昨日、アイツが美結に暴力振るってる所を、動画に収めたんだ」と言ったのだ。

「……動画を?」

 いつの間に、そんなことを……。でも、どうやって……?

「ああ、猛がいると気付いて駆けつける前に慌てて撮影したからブレちゃったけど。……ちゃんと証拠、撮れたから」

「……大和、さん……」

 大和さんが私のためにそうしてくれていたなんて思ってもなかった私は、ものすごく驚いた。
 だから私は、それが嬉しかったんだ。

「今から警察に行って、これを提出してくるから」

「……はい。ありがとうございます」

 大和さんの優しさと力強さに、私はいつも救われている。