「俺がそばにいる。……もう何も怖くないから」
私は大和さんの腕の中で泣いた。
「っ、怖かった……」
ものすごく怖かった。……死んでしまうかもしれない。
本当にそう思った……。
「美結、大丈夫だ。大丈夫」
◇ ◇ ◇
「ん……んん?」
気が付くと私は、大和さんの腕の中で泣き疲れて眠ってしまっていたようだった。
「大和……さん……?」
私はベッドの中で、布団をかぶっていた。 けど大和さんは、いなかった。
「……あれ?大和さん……?」
ベッドから起き上がると、私は水道でお水を汲んで飲んだ。
「はあ……。もうこんな時間なんだ……」
猛は、どうなったんだろうか……。警察を呼んだと大和さんは言っていたけど、その後どうなったんだろうか……。
……叩かれた頬は、まだ少し痛みがある。
お腹を蹴られたから、お腹を見ると少し青アザになっていた。
「痛いな……」
この痛みが消えるまでには、時間がかかりそうだ。……何度も恐怖を植え付けられた私には、もう何も出来ない。
外に出ることも怖くて、私はもう家から出られない……。
「美結、ただいま」
「……大和さん、おかえりなさい」
大和さんはコンビに行ってただけなんだ……。
「大丈夫か?美結」
「……はい」
「腹減ったろ?……何か食べられそうか?」
そう聞かれた私は「……あ、はい」と返事をした。