溢れる涙で、視界が滲む。
「お前に美結は渡さねぇ。二度とここには来るな。……それとさっき警察に通報しておいたから、もうお前を捕まえに来るだろう。 覚悟しておけ」
「はあ? おい待てよ……!」
大和さんは私の肩を抱くと「美結、中に入ろう」と家の中に入った。
そして大和さんは私をベッドに座らせると、そっと私を抱きしめてきた。
「……大和さん?」
「美結、大丈夫か?……来るのが遅くなって、本当にごめん」
大和さんの声は、少し震えていた。
「……大和さん、助けてくれてありがとう」
大和さんが来てくれなかったら、私は今頃どうなっていたか分からない。
……もしかしたら私は、そのまま連れ去られていたかもしれない。
「美結……頬がこんなに赤くなってる」
心配そうに私を見つめて、私の頬を優しく撫でてくれる大和さん。
「……頬、冷やさないとな」
立ち上がる大和さんの腕を、私はガシっと掴んだ。
「……美結?」
「大和さん……。そばにいてっ……」
私は怖くて怖くて、仕方なかったんだ……。
恐怖で震えて、さっきの猛の顔がフラッシュバックしてしまうんだ。
「美結、大丈夫だ。俺がそばにいる、そばにいるから。……どこにも行かない」
「っ……」
抱きしめてくれる大和さんの背中は温かくて、すごく優しかった。
「怖い思いさせてごめんな、美結。……もう大丈夫だから」
「大和さんっ……」