「……ん、分かってる」

「え……?」

 分かってる……って? え、何?どういう意味……?
 全然分からない……。

「俺も美結と同じ気持ちだから」

「……え?」

 そ、それってーーー。

「俺も美結のことが好きだ」

「……あ、ありがとう、ございます……」

 これって……喜んでいいんだよね? 嬉しいこと、なんだよね……?

「だから美結にいなくなられたら、困るんだよ」

「……大和さん」

 大和さんと気持ちが繋がったことが嬉しくて、ちょっとだけニヤけてしまったのは、大和さんには内緒にしておこう。

「好きだった男のことを忘れられないのは、仕方ないとは思う。マジでひどい男だったからな、最低最悪のクズだしな。……でもそれを楽しい思い出で塗り替えることが出来れば、少しは前を向いて生きていける活力になると、俺は思う」

 大和さんの真っ直ぐな瞳が、真っ直ぐな言葉が、私の胸を強く突き刺した。

「……はい」

 大和さんの言葉一つ一つが、私の身体の芯まで温めてくれる気がした。

「だから美結、俺との思い出で塗り替えようぜ。……美結がまた笑って笑顔で生きていけるように、前を向いて笑っていけるようにさ」

「……はい」

 大和さんとの出会いが、私を変えた。 私が生きる意味を、大和さんは全身で教えてくれた。
 私が前を向いて生きていけるように、手助けもしてくれたんだ。

「……美結に泣き顔は、似合わねぇよ」

「ありがとうございます」