そう言ってタバコを吹かす大和さんの背中を、私は見つめていた。

「……大和さん。これからもずっと、私のそばにいてくれますか?」

 そう静かに問いかけると、大和さんは静かに「……ああ、いてやるよ」と言ってくれた。

「ありがとう……ございます」

 大和さんのその優しさに、私は本当に救われている。

「俺はお前のそばにいると、約束したからな」

「……大和さん」

 大和さんがいてくれるおかげで、私は少し楽になれた気がした。

「美結……泣くな」

「っ……すみ、ません」

 私はそっと涙を拭った。

「美結、俺はお前に怖い思いはさせない。お前に何かあったら、守ると約束する。……だから辛いなら辛いって、言ってくれ。遠慮はするな、俺には何でも相談しろ」

「っ……はい」

 大和さんは私をギュッと抱き寄せてくれた。

「美結はもう一人じゃない。……美結には俺がいる」

 大和さんは優しい。……私はずっと一人だったから、こうして誰かがそばにいてくれると、安心するんだ。

「大和さん……。もう一度、キスしてくれませんか……?」

 私は自分から、大和さんにそうお願いした。

「いいのか?キス、しても」

「……私が、して欲しいんです」

 そうお願いした私に、大和さんはそっと顔を近付けてきた。 私は目を閉じて、大和さんの唇を再び受け入れた。
 大和さんとのキスは、大和さんが吸ってるタバコの味がした。……だけどちょっぴり、大人の味がした。