「あ、ありがとうございます」

 ピスタチオプリンの封を開けて、プリンを一口食べた。

「どうだ、美結?」

「……うん、美味しいです」

「そうか」

 大和さんは私にふと視線を向けると、タバコに火を付けた。

「……なあ、美結」

「はい?」

 私が大和さんに視線を向けると、大和さんは「美結のこと、もっと詳しく教えてくれるか?」と聞いてきた。

「……私の、こと?」

「ああ。 そういえば、知らねぇなと思ってさ」

 確かに、大和さんの言う通りだ。 私は大和さんのこと、あまりよく知らない。
 拾ってもらってあれだけど、確かに知ってることは少ない。

「私も、大和さんのこと……もっと知りたい、です」

 そう伝えると大和さんは、大和さんは吸っていたタバコの火をそっと消した。

「……美結」

 そして大和さんは、私のそばに来て、私の頬にそっと触れた。

「大和……さん……?」

 大和さんのそのキリッとした瞳(め)に見つめれると、なぜだか目を逸らすことは出来そうになかった。

「あの、私……」

 なんでか分からないけど、妙に緊張してしまう。

「美結は、俺といても怖くないのか?」

「……え?」

 突然そう聞かれたことに、ビックリしてしまった。

「怖くないのか?俺が」

 そう問いかけられたその言葉に、私は「……はい。怖く、ないです」と答えた。

「……そうか。怖くないか」

「はい。……大和さんは、優しいので」