「……っ、はい」

 私は彼の腕の中で、静かに頷いた。

「大和さん、今日はこうして寝てくれませんか……? いえ……毎日寝る時は、こうしてください」

 私のそんなお願いにも、大和さんは「分かった。毎日、抱きしめてやる」と言ってくれた。

「……ありがとうございます」

「気にするな。……お前のことは、放ってはおけないしな」
 
 私は大和さんのそんな優しさに、いつの間にか安心してしまっていた。
 ーーー気がついたら大和さんの腕の中で、私は安心してしまったのか、眠ってしまっていたみたいだった。



◇ ◇ ◇


「……ん……っ?」

 気がついたら朝を迎えていた。 そして隣を見ると、大和さんも寝息を立てて眠っていた。
 だけどその左腕は、私の背中の下にあったままだ。

「え……」

 もしかして大和さん……ずっと、こうしててくれたの……?
 大和さん腕、痛かったよね……。

「……ありがとう、大和さん」
 
 大和さんのおかげで、ちゃんと眠れた気がする。

「んん……。美結……?」

「あ……おはよう、ございます」

 どうやら大和さんのことを、起こしてしまったみたいだ。
 
「おはよ。……あの後、眠れたみたいだな」

「はい……。ありがとうございました」

 大和さんの横顔……カッコイイな。
 なんていうか、整っているからどの角度から見ても、余計にカッコよく見える。

「ん、良かったな」

 大和さんといると……なんか私じゃないみたい。