震える私の身体を、ギュッと抱きしめてくれる大和さん。

「大丈夫だ、大丈夫だから」

 大和さんは何度も言い聞かせるように、私に言葉をくれた。

「……ごめん、なさ……い」

「謝らなくていい。……落ち着くまで、こうしててやるから」

 大和さんのその温かい温もりに、私は次第に冷静さを取り戻していった。

「……大丈夫か、美結」

「っ……はい……」

 そっと身体を離した大和さんは、私を見つめている。

「美結、さっきのは……フラッシュバックだな?」

 そして静かにそう問いかけてくる。

「……はい」

 静かに頷く私に、大和さんは「……辛かったな。気付かなくてごめんな」と言ってくれた。

「ううん……」

 大和さんは悪くない、何も悪くない。 悪いのは私だから……。

「怖かったよな……うなされて」

「……でも、もう落ち着きました」

 と言ったけど、大和さんにはまだ少し震えていることがバレていた。

「まだ震えてるな。……今日は一緒に寝ようか」

「え……?」

「怖いだろ?フラッシュバック。……俺といても怖いかもしれないけど、でも今お前のそばにいるのは俺だから。 俺がお前を抱きしめてやる」

 そう言って大和さんは再び、私を優しく抱き寄せてくれた。

「っ……大和、さん……」

 どうして……。どうして大和さんは、そんなに優しいの……?

「辛い時は、俺が何度でもこうしてやる。……だから俺をもっと頼れ」