そう言われた私はその五万円を持っていた自分のお財布の中に入れて、買い物をすることにした。
「……じゃあ、行ってきます」
「おう。お釣りは返さなくていいから」
「……分かりました」
私は高根沢さんと別れて、服や下着を買うことにした。
「……これ、可愛いかも」
私は一時間の間に、好きな好みの服をその五万円で購入させてもらった。
下着も好きなお店があったので、そこでサイズがあったものを購入した。
そして一時間後、私は待ち合わせた場所に向かった。
「高根沢さん、お待たせしました」
「お、美結。……服、買えたみたいだな」
「はい。……ありがとうございます」
高根沢さんには何から何まで、お世話になっている。
「下着もちゃんと買えたみたいだな」
「はい」
「……よし、なんか食いに行くぞ」
立ち上がった高根沢さんは、私に向かってそう言って笑った。
「え?」
「美結も腹減ってるだろ?」
「……あ、はい」
「なんか食いたいものはあるか?」
そう聞かれたけど、見てから決めたいと答えた。
「じゃあフードコートでも行くか」
「……はい」
「袋いっぱいだな。……持ってやるよ」
私から服の入った紙袋をすっと奪い取り、高根沢さんはその袋を持ってくれた。
「あ、ありがとう……ございます」
高根沢さんはどうして、そんなに優しいんだろう……。
初対面の私に、どうしてそんな……。