住む場所として紹介してくれたのは街の中心部にあるアパート『レポ』だった。街の中心部というだけあり、とても賑わったいて、近くの店で、買い物には事欠かなそうな場所だ。
「いいんですか?こんないい場所のアパートを紹介していただいても」
「もちろんさ。中心部なだから多少家賃は高いけど、4人で暮らすのにちょうどいい大きさだと思うよ。少しの家賃は先に払っておくよ。」
申し訳なくなってきた私たちに、気前よくそう言ってくれる。王選の準備もあって忙しいだろうに、ここまで親切にしてくれるなんて。
(親切な方だね、マランさんって)そう、新垣に話しかけるも、ガン無視。さっき、無理矢理に話を遮ったからか、未だに不機嫌そうな顔をしている。

「仕事を紹介しなくて、本当に大丈夫かい?」
「そうよ、遠慮なんてしなくていいのよ?」
マランさんもエレンさんもそういう言ってくれる。

「大丈夫っス。俺たち4人は仲もいいし、桐谷と深澤なんかは、仕事もできるし。あとは俺たちでなんとかするんで。ありがとうございます。」
そう言って、頭を下げる新垣。珍しくいい事言うじゃないか。

「そうか、それならいいんだ。でも何か困ったことがあったら、いつでも相談してくれていいからね」
「はい!」
私たちはそう言うと、マランさんとエレンさんと別れた。




「ところで、あの男の子の名前はなんと言ったっけね?」
「さあ、なんだっけ?」