『私はエリアナの代理のアリアナだよ〜。最初の試練は、いち早くこの国に、この国の街に、この国の住民に、慣れ親しむことだよ〜♪争いを起こしちゃダメだよ。もちろん力づくで、仲良くさせるのも、魔法とかで、無理矢理とかやっても無駄だからね〜。管理人は、なんでもできるからね♪期限は1週間、ここで、1組脱落するよ〜。あ、でも、脱落しても、死んだりしないから安心して♪王戦が終わるまで、この国で、平和に暮らしてもらうだけだから〜。失格にならないように注意してね〜。じゃあ、検討を祈る‼︎』

そのセリフは、また突然聞こえてきた。そして、突然消えていった。

「相変わらず、なんっにも詳しいこと教えてくれないんだから〜」
可愛く怒る深沙。
「まあ、とりあえず、街に行かないことには、始まらなそうだね」
「新垣、そこ立って。行くよ」
そう一方的に告げると、私は風を起こした。

「おお、伊藤も、風の使い方上手いな。よく見える。えーっと、街、街だろ、、、。あ、あった、俺から見て左斜め前くらいかな。そこにデカい街があるぞ。」
「この国の首都とかかもね」




「どーやって移動しよう...」
かれこれ1時間強、このことをずっと考えていた。今更ながら、考える暇があったら歩けばよかったとか思っているが、手遅れだ。これがもし、エリアナ・アリアナの言うとおりなのだとしたら、とりあえず、早くつかないと、負ける確率が高くなってしまう。

「あ、風の魔法でどーにかならねーの?」
『あ...』
なぜこんなことに気づかなかったのだろうか。

「じゃあ、深澤よろしく」
「え、なんで、伊藤は?」
「私魔法下手だから、助けが必要そうだったら言って〜」
そういって、ヒラヒラと手を振る私。少しため息をつきつつ、結局はやってくれる。
「じゃあいくよ〜、その辺に固まって〜。よし、風よ起れ!」
深澤の魔法はたった1週間でとても上達した。私たち3人を乗せても、安定している。そして、自分が乗っても安定したままだ。

 私たちは、ほんの少しの時間で街にたどり着くことができた。ただ、既に、2組が着いていたみたいだから、1番ではなかったが...。