「この学校の中2のうちの何クラスかが異世界に飛ばされるんだって」
「でもね、毎年ってわけでもないし、どのクラスとも決まってないんだって〜」
いつも通りの朝休み、クラスの中心的存在である陽キャたちが、どこから仕入れてきたかわからない噂話をしていた。
彼女たちは、噂話が好きだ。いつも、
「隣のクラスの〇〇と、〇〇が付き合ってんだって〜」
だとか、
「放課後に音楽室に行くと、誰もいないのにピアノの音がするんだって〜。それでね、中に入ると、勝手に鍵盤が動いてるんだって〜!」
だとか、ありきたりな噂話で盛り上がっている。
中学生になってもというか、だからこそと言うべきか、、、。それにしたって、噂話が多すぎる。女子も男子も、よくもまぁ、毎日のように新しい噂話を仕入れてくるものだ。噂話をしないにしても、よくわからない話題ばっかり。もう少し、まともな話題はないものか、、、。
「春香、聞いてる?」
「あ、ごめーん、なんだっけ」
「もう、春香ってば、全然聞いてないんだから〜w」
…。かくいう私も、一応、陽キャの端くれなのだった。伊藤春香、中1、13歳。
誕生日が早く、今はみんなより1つ、年上だ。
付属の学校じゃないから、みんな知らない人同士からスタートなんだけど、、。
私は、小学校の時のクラスメイトと、とても仲がよかった。毎日のように休み時間にクラスみんなで鬼ごっこをして。運動会では、団結力を発揮して。万年ビリではあったけれど(笑)
そんなクラスメイトに恵まれていた私は、急に新しい環境に入るのに失敗した。入学式から1週間くらい、自分の席で本を読んでいた。ぼっちだった。小学生の時は、気づいたら友達がたくさんいたから、今更、友達の作り方なんてわからなかった。
「ぼっちも悪くないかなぁ...」
そんな時だった。
「伊藤さんって、本、好きなの?」
桐谷深沙(きりたにみさ)だった。入学式の日から、もうたくさん友達を作り、クラスにも馴染んでいて、すごいなぁと思った記憶があった。
桐谷深沙は陽キャには珍しく読書家で、ちょうどその時私が読んでいた本を、つい最近読み終わったばかりだったそうだ。それで、たったそれだけで、私に話しかけてくれた。
深沙は、男女共に友達が多く、中学に入り、急にコミュ障を発動している私でもすぐクラスに馴染む事ができた。
小学生の時のように、とまではいかない。でも、私の学校生活は、一気に楽しいものへと変化していった。
今私が、くだらない話で盛り上がっていられるのは、深沙のおかげだ。
そのため、陽キャって柄ではないけど、深沙と一緒にいることが多い。
最近は、桐谷深沙、深澤洸太(ふかざわこうた)、新垣涼(あらがきりょう)、そして私、伊藤春香の4人でいる事が多い。
言わずもがな美少女の深沙、顔よし性格良しの深澤、性格に若干難ありだけど、なんでもそつなくこなす新垣。そこに、普通、いやむしろ普通よりも出来の悪い私がいるのは不相応だとも思うが、何よりも一緒にいると楽しいし、こんな私とも仲良くしてくれる、優しい3人なのだ。
以前はグループなんてクソくらえだ、と思っていた私も、今は、悪くないかな、なんて思っている。一度、居心地のいいを得てしまったら、手放すことなんてできない。都合がいい考え方だとは思うが、それほど仲が良いと言うことで勘弁してほしい。
「でさぁ、伊藤はどう思う?あの、異世界に飛ばされるって噂について」
拳を私に向けながら言う新垣の言葉で、現実に引き戻される。マイクのつもりだろうか。
「うーん、あったら面白いなぁ、とは思うけどね〜」
だよなー、あったら絶対楽しいよなー、と声を上げる新垣。昼休みになっても朝と同じ話をしている私たち。
「私は、今のままで楽しいよ」と呟く。
「春香ってさ、さらっと大事なこと言うよね、、、」
「ん?」
深沙が呆れた顔をしてこちらを見ているが、何か変なことを言っただろうか?深沙の行動がたまに理解できない時もあるけど、、。
こんなのも、普通の日常だけど、大切な日常だ。この4人で、学校生活を送れているなんて、私は幸運だ思う。
「でもね、毎年ってわけでもないし、どのクラスとも決まってないんだって〜」
いつも通りの朝休み、クラスの中心的存在である陽キャたちが、どこから仕入れてきたかわからない噂話をしていた。
彼女たちは、噂話が好きだ。いつも、
「隣のクラスの〇〇と、〇〇が付き合ってんだって〜」
だとか、
「放課後に音楽室に行くと、誰もいないのにピアノの音がするんだって〜。それでね、中に入ると、勝手に鍵盤が動いてるんだって〜!」
だとか、ありきたりな噂話で盛り上がっている。
中学生になってもというか、だからこそと言うべきか、、、。それにしたって、噂話が多すぎる。女子も男子も、よくもまぁ、毎日のように新しい噂話を仕入れてくるものだ。噂話をしないにしても、よくわからない話題ばっかり。もう少し、まともな話題はないものか、、、。
「春香、聞いてる?」
「あ、ごめーん、なんだっけ」
「もう、春香ってば、全然聞いてないんだから〜w」
…。かくいう私も、一応、陽キャの端くれなのだった。伊藤春香、中1、13歳。
誕生日が早く、今はみんなより1つ、年上だ。
付属の学校じゃないから、みんな知らない人同士からスタートなんだけど、、。
私は、小学校の時のクラスメイトと、とても仲がよかった。毎日のように休み時間にクラスみんなで鬼ごっこをして。運動会では、団結力を発揮して。万年ビリではあったけれど(笑)
そんなクラスメイトに恵まれていた私は、急に新しい環境に入るのに失敗した。入学式から1週間くらい、自分の席で本を読んでいた。ぼっちだった。小学生の時は、気づいたら友達がたくさんいたから、今更、友達の作り方なんてわからなかった。
「ぼっちも悪くないかなぁ...」
そんな時だった。
「伊藤さんって、本、好きなの?」
桐谷深沙(きりたにみさ)だった。入学式の日から、もうたくさん友達を作り、クラスにも馴染んでいて、すごいなぁと思った記憶があった。
桐谷深沙は陽キャには珍しく読書家で、ちょうどその時私が読んでいた本を、つい最近読み終わったばかりだったそうだ。それで、たったそれだけで、私に話しかけてくれた。
深沙は、男女共に友達が多く、中学に入り、急にコミュ障を発動している私でもすぐクラスに馴染む事ができた。
小学生の時のように、とまではいかない。でも、私の学校生活は、一気に楽しいものへと変化していった。
今私が、くだらない話で盛り上がっていられるのは、深沙のおかげだ。
そのため、陽キャって柄ではないけど、深沙と一緒にいることが多い。
最近は、桐谷深沙、深澤洸太(ふかざわこうた)、新垣涼(あらがきりょう)、そして私、伊藤春香の4人でいる事が多い。
言わずもがな美少女の深沙、顔よし性格良しの深澤、性格に若干難ありだけど、なんでもそつなくこなす新垣。そこに、普通、いやむしろ普通よりも出来の悪い私がいるのは不相応だとも思うが、何よりも一緒にいると楽しいし、こんな私とも仲良くしてくれる、優しい3人なのだ。
以前はグループなんてクソくらえだ、と思っていた私も、今は、悪くないかな、なんて思っている。一度、居心地のいいを得てしまったら、手放すことなんてできない。都合がいい考え方だとは思うが、それほど仲が良いと言うことで勘弁してほしい。
「でさぁ、伊藤はどう思う?あの、異世界に飛ばされるって噂について」
拳を私に向けながら言う新垣の言葉で、現実に引き戻される。マイクのつもりだろうか。
「うーん、あったら面白いなぁ、とは思うけどね〜」
だよなー、あったら絶対楽しいよなー、と声を上げる新垣。昼休みになっても朝と同じ話をしている私たち。
「私は、今のままで楽しいよ」と呟く。
「春香ってさ、さらっと大事なこと言うよね、、、」
「ん?」
深沙が呆れた顔をしてこちらを見ているが、何か変なことを言っただろうか?深沙の行動がたまに理解できない時もあるけど、、。
こんなのも、普通の日常だけど、大切な日常だ。この4人で、学校生活を送れているなんて、私は幸運だ思う。