『みんな来れたかな?よかった、じゃあ、話を始めるよ♪』
アリアナはそう言うも、急に連れてこられた私たちは動揺していた。

『いいから、静かに!!!』
私たちは、アリアナのその一言で一気に落ち着いた。ここはおそらく、この世界の管理人が住んでいる、ロムニカ王国とはまた違った場所。アリアナの思う通りになるんだろう。
『急でごめんね、これから、第1回の試練の結果を発表するよ。1位から5位を発表して、5位だった1組が脱落だよ。異議は認めない。エリアナの決めたことだから。』

『勝手に代表者を決めて、名前を呼ぶね。1位は、桐谷深沙ちゃんの組。2位は、麻生夏（あそうなつ）ちゃんの組。3位は、峯崎歌子（みねざきかこ）ちゃんの組。4位は、青木奏（あおきかなで）ちゃんの組。そして、今回残念ながら脱落となるのが、笠木未央（かさぎみお）ちゃんの組だよ。脱落した子たちも、このまま、このロムニカ王国で生活を続けてね。脱落になったからと言って、特になんの罰則もないから。1位から4位のみんなは、引き続きがんばってね!この後の試練は、近くなったらまた、知らせるから。』

『しばらく、ここにいてもらって構わないよ。時間が止まっているから、向こうと時間の差が生まれることも心配しなくていい。これからのことを相談する時間にでも使ってよ』
そう言って、またも勝手に消えていった。




「さてと、なんで俺たちが1位なんだろうな?」
「さあ、まあ、上手くいっているならいいってことじゃないのかな?」
「まあ、きっといいことなんだよ。でも、順位がつくなんて、、。予想してはいたけど、これ、結構、クラスメイトと対立しちゃうんじゃ?」
深沙の心配は、妥当なものだった。私たちが話しているだけで視線を感じる。最初の試練で1位と言うことで、目立ってしまったのだろう。


　私たちは、敵となってしまったクラスメイトを気にしつつもこれからのことを話し合った。
　とりあえず、今のまま、生活は続けること。バイトを増やせる場合は増やして、早く、お金を貯めること。など、色々と。ただ、私はクラスメイトたちが気になって仕方がなかった。ヒソヒソと、私たちの陰口ばかりが聞こえてくるのだ。でも、聞き流していた。

「深沙とか深澤って顔いいじゃん。あの顔で、優等生ぶって話せばねぇ?そりゃ、街の人たちも協力的になるよね〜」
「新垣もいるし、実際のところどうなんだか。ルール違反したりしてんじゃないの?」

この陰口ばかりは聞き捨てならなかった。

　3人が止めるのを振り払って、私は麻生夏たちのグループに近づいていった。
「何か用?私たち、次の試練に向けて、話し合わないといけないんだけど?」
「そうそう、邪魔しないでもらいたいわ」
エリアナもよくわかっている。この2人は同じ組になるはずだ。クラスでもずっと一緒にいたんだから。

「話し合いの途中に陰口が聞こえたのは気のせいだった?憶測で、勝手なこと言うのやめてくれる?深沙も洪太も涼もまじめに、まともにやって、ちゃんと生活してるの。陰口言うくらいなら直接言いにくれば?」
挑発するような口調になってしまったが仕方がない。納得ができなかった。なぜ、私の友達が、悪く言われくてはいけないのか。
「もういいよ、やめて、春香」
深沙に止められたが、ここまで言ってしまったら引けない。


「あーはいはい。ごめんね、友達を悪く言って。」
麻生夏はそう言って近づいてきた。

　そして私の耳元でこう言った。
「みんなが1番思ってることを教えてあげようか。なんで、深沙と深澤と新垣と一緒に、伊藤春香、なんであんたみたいなやつがいるのかってね!」
「そうよ、クラスにいた時からそう思ってた。なんでなんの取り柄もないくせに3人と一緒にいられるんだってね」
そう言って2人は去っていった。