家賃や食材費等を稼ぐことに精一杯で、バイト先とレポの往復が続いていた数日間。試練だとかなんとかを忘れかけてきたある日、アリアナの声はまたも突然聞こえてきた。3回目ともなると、「ああ、またか」と思うようになってきた。だが、今回はそれだけでは済まなかった。

『転生者の皆さん〜、ここ数日間は上手く生活できたかな?今回の試練の結果発表をするから、突然だけど、こっちに移動させるね、勝手に♪街のみんなに迷惑かけるわけにはいかないからさ。今から10秒以内に、持ってるものを話してね。こっちには、身一つで来て欲しいから。じゃあ、また後でね♪』

それは、私たちは部屋で朝ごはんを食べている時だった。
「どうしよ、とりあえず、身一つになれって」
「まあ、一緒にどこかに連れてかれるんだろうし?きっと大丈夫...」

洸太の声が聞こえたとほぼ同時。私たちはまた白い光に包まれた。今回は意識を失うことはなかった。