☆美月・その後


 コンテストで下の方の賞だったけれど、受賞して絵が展示される事になった。

 自分の絵がこんな風に飾られるなんて。

 嬉しさと緊張が交差して心が落ち着かなかった。

 ちょうどその会場にいた時、私の絵をみてくれていたお婆さん2人組が

「綺麗ねぇ……温かい気持ちになれるねぇ」

と、褒めてくれていた。

 こんな私が描いた絵でも、誰かにそう思ってもらえることが出来るんだ!


 私の描いた絵が誇らしい気持ちで、堂々と壁に飾られているように感じた。



 このコンテストで自信を持ち、どうしようか迷っていた個展を開いてみようと決心した。

「お母さん、私個展開くから見に来てね!」

 子供が産まれてから、子育ての大変さを知り、きっと母も大変だったんだろうなぁって考えた。私は気難しい子供で夜泣きも凄かったらしいし。そんなことを考えていたらある日、急に連絡をしたくなった。

以前は自分のことを話すのが嫌だったし、必要な時以外連絡をしたくなかったけれど。母とは今は少しずつだけど、距離は縮まっている……気がする。