#平行線の世界 さんにんで


 冬休みに入る前の日。
 気温はマイナス20度でじんじんする寒さ。

 その日、蒼空は生徒たちが帰った後、美月を誰もいない教室に呼び出し、告白した。

 そしてふたりは付き合うことになった。

 蒼空とはずっと仲が良かったから、3人で遊ぶこともよくあった。

 大人になってもそれは続いた。

 強く記憶に残っていることはいくつもあるけれど、その中のひとつは、母校に遊びに行った時のこと。

 まず先生から校内に入る許可を貰い、蒼空と僕はグラウンドに落ちていたサッカーボールを蹴り始め、サッカーを始めた。久しぶりにしたので楽しかった。学生時代を思い出し、純粋な気持ちになりながら遊んでいた。

 美月は部活でよく出入りしていた美術室へ行った。

 ふと美月を見ると、指で四角を作り、その手カメラをこっちに向け透明なファインダーを覗き込み、真剣な顔で構図のチェックをしているようだった。

 3人で色んな場所にも行った。海や動物園、遊園地、キャンプ、スキー場……。

 特に海には何回も行った。

「ネットで見たんだけど満月の日は凄く海がキラキラして綺麗らしい」

 蒼空が、その日に行った海について調べていて、そう教えてくれたけれど。それから何回行っても全て曇り空で満月が見えることはなかった。

「満月が見える日、ここに来ようね。いつか必ず! 3人でこの景色を見ることが私の夢……」

と、話している美月の瞳が輝いていた。

 あとは、3人共映画や漫画が好きだったのでよく蒼空の家に集まりDVDやネットの映画を鑑賞したり、大人買いした漫画をひたすら無言で読んだりもしていた。

 それからしばらくして今の世界で何回も見ている夢の出来事が起きるのだけど……。