家へ招き入れられレッドさん(仮?)に案内されるまま後ろをついていく。

「なんで事前に教えてくれなかったの?」
「その方がおもしろ……いや、サプライズになるかと思って」

 階段を上りながら詰め寄ると兄はニヤついた顔を隠しもせずに言い直した。

「おもしろいって言っちゃってるじゃん!」
「あはは。ニコちゃんは元気だね」

 振り返ったレッドさん(仮?)が楽しそうに笑う。
 ……本当に本人なんだよね?
 ふたりしてからかってるわけじゃないよね?
 展開が急すぎてまだ混乱している。

「どうぞ、入って」

 2階へ上がり廊下を歩いて突き当りの部屋のドアをレッドさん(仮?)が開けた。さっきから思っていたけど、ここって高級住宅地だ。うちの倍はあるんじゃないかと思われる戸建てに、広い庭があって。
 チャラ男な上に、お金持ちのボンボンなんだ……
 と、語彙力のない感想が浮かんできた。

「おジャマしまーす」
「し、失礼します」

 軽いノリで入っていく兄に続き、おずおずと部屋へ足を踏み入れると。

「マジか!」

 驚きの光景に、私は感嘆の声を上げた。12畳はありそうな広い部屋と、ゲーミングPCが2台も!
 それぞれにモニター・キーボード・マウス・ヘッドホン・ゲーミングチェア付属だ。