「それはナイショです」
「いや、めっちゃ気になるじゃん!」
「すみません」
スクリーンに観客席の様子が流れ、再びステージへと戻ってくる。
「約束の内容は?」
「教えません♪」
「めっちゃ爽やかな笑顔で断らないでくれる?」
カイくんはカメラに目線を送りながら拳で小さく左の胸元を叩いた。そこには、小さな虹が刺繍されている。
『虹子もチームだよ』
そう言われている気がして、胸がいっぱいになり涙が止まらなくなった。
「今後のビジョンは見えているの?」
「自分はプロを目指しています」
いくつかの質疑応答のあと、兄がそう言い切って。
「晴渡……立派になったなあ」
隣で父が鼻をすすった。
「レッドジャスパー選手はストリーマーをしているんだよね?」
「はい」
「ファンが激増するだろうねえ。あとでサイン書いてもらってもいい?」
「ははっ。わかりました」
楽しげな笑みを浮かべ、握手を交わすカイくん。
「キングフィッシャー選手も、お願いね」
「サインないんで、署名でもいいですか?」
「君のそういうところ、すごくいいよね。ビックになりそうだよ」
そしてインタビューが終わり、副賞が贈呈される直前。カイくんは私の方へ視線を向けてTシャツの中からネックレスを取り出した。
あれは、私があげたお守り……
細長いシルバープレートに、小さなレッドジャスパーを埋め込んだペンダント。
カイくんは、それを口元へ持っていって。
そっと、キスをした――
「いや、めっちゃ気になるじゃん!」
「すみません」
スクリーンに観客席の様子が流れ、再びステージへと戻ってくる。
「約束の内容は?」
「教えません♪」
「めっちゃ爽やかな笑顔で断らないでくれる?」
カイくんはカメラに目線を送りながら拳で小さく左の胸元を叩いた。そこには、小さな虹が刺繍されている。
『虹子もチームだよ』
そう言われている気がして、胸がいっぱいになり涙が止まらなくなった。
「今後のビジョンは見えているの?」
「自分はプロを目指しています」
いくつかの質疑応答のあと、兄がそう言い切って。
「晴渡……立派になったなあ」
隣で父が鼻をすすった。
「レッドジャスパー選手はストリーマーをしているんだよね?」
「はい」
「ファンが激増するだろうねえ。あとでサイン書いてもらってもいい?」
「ははっ。わかりました」
楽しげな笑みを浮かべ、握手を交わすカイくん。
「キングフィッシャー選手も、お願いね」
「サインないんで、署名でもいいですか?」
「君のそういうところ、すごくいいよね。ビックになりそうだよ」
そしてインタビューが終わり、副賞が贈呈される直前。カイくんは私の方へ視線を向けてTシャツの中からネックレスを取り出した。
あれは、私があげたお守り……
細長いシルバープレートに、小さなレッドジャスパーを埋め込んだペンダント。
カイくんは、それを口元へ持っていって。
そっと、キスをした――