「ラストゲーム、ナンバーワンは市立縦浜高校、キングフィッシャー・レッドジャスパー!!」

 わああ――と、会場中が湧いた。けど、私の耳は膜が張ったかのように音がぼんやりと聞こえていた。
 勝った……勝った、けど。
 結果が出るまではわからない。
 でも、あんな試合を見せられたら……結果はどうあっても、ふたりを称えるしかない。それだけ、素晴らしい戦いを見せてくれた。
 ずっとドキドキが止まらなくて。発表があるまでの間、ステージでのトークも両親の話も全然頭に入ってこなかった。
 
「結果を発表致します」

 そして、やけに長く感じた待ち時間が終わりを告げた。

「準優勝から発表致します」

 たまらず、目をつむる。

「準優勝は――県立一葉高校、好きなもの同盟! オムライスしか勝たん選手、ハンバーグしか勝たん選手は前へどうぞ」

 歓声と拍手が起こり、私はそっと目を開いた。
 一高を、1位から引きずり下ろした。少しホッとしたけど、F高も撃破ポイントを狙って動いてたから……

「優勝を発表致します」

 写真撮影やインタビューのあと、会場がしんと静まり返った。

「優勝は……市立縦浜高校、Team Rainbow(チーム レインボー)!!」

 響き渡る拍手喝采。

「やった! やったぞ!」
「やったわね、虹子!」
「やだ、優勝だって!」
「マジパねえ!」
「すごーい!」
「きゃー! かっこいいー!」
 
 父と母が私に抱きつき、後ろから嬉しそうな声が上がる。