あれから、休日はカイくんの家で練習と情報交換や作戦会議を重ねた。平日の夜はそれぞれの自宅からオンラインで練習。カイくんは大会を優先してくれて配信は不定期になった。
それぞれの努力が実り、オンラインでの予選大会は危なげなく通過できて。決勝大会まで、あと1ヶ月半ほど。
私はふたりの努力に応えられるよう、予選大会のリプレイを見返して分析をした。他ブロックの試合の様子を見ることができなかったから、プロゲーマーの動画も参考にして色々研究した。
正直、学校の勉強よりがんばってる。
充実した毎日に幸せを感じて。ずっとこのままでいいのにと思う。
大会が終わったら私がいる意味がなくなってしまうから。
カイくんのそばにいられるのも、あと少し……
そんな私の感傷とは裏腹に、時間は規則的に過ぎていく。
『明日の午後って予定ある?』
だけど、夏休みを目前に控えた夜にカイくんから連絡があってびっくりした。
「あ、空いてます! 空いてなくても空けます!」
すぐにテンションマックスになる、チョロい私。
『そっか、良かった』
スマホから笑う気配がして、こっちまでニヤけてしまう。
『じゃあ、12時くらいに』
「はい……」
相変わらずのイケボに夢見心地で答える。
……あれ?
通話を切ったあと、ふと我に返った。
それぞれの努力が実り、オンラインでの予選大会は危なげなく通過できて。決勝大会まで、あと1ヶ月半ほど。
私はふたりの努力に応えられるよう、予選大会のリプレイを見返して分析をした。他ブロックの試合の様子を見ることができなかったから、プロゲーマーの動画も参考にして色々研究した。
正直、学校の勉強よりがんばってる。
充実した毎日に幸せを感じて。ずっとこのままでいいのにと思う。
大会が終わったら私がいる意味がなくなってしまうから。
カイくんのそばにいられるのも、あと少し……
そんな私の感傷とは裏腹に、時間は規則的に過ぎていく。
『明日の午後って予定ある?』
だけど、夏休みを目前に控えた夜にカイくんから連絡があってびっくりした。
「あ、空いてます! 空いてなくても空けます!」
すぐにテンションマックスになる、チョロい私。
『そっか、良かった』
スマホから笑う気配がして、こっちまでニヤけてしまう。
『じゃあ、12時くらいに』
「はい……」
相変わらずのイケボに夢見心地で答える。
……あれ?
通話を切ったあと、ふと我に返った。