蘇生が間に合わなかった場合、復活拠点に回収したプレイヤーのコアを持っていけば再起動することができる。
 ひとりで戦うソロとは違い、デュオはどちらかがやられてしまうと一気に分が悪くなってしまう。まして大会中は復活させること自体がとても困難になる。
 いかにふたり揃って生き残れるかも、今後の課題だな。

「今度こそ、どうだった?」

 声を掛けられ、ハッとする。

「カッコ悪いとこ見せちゃったけど」

 カイくんは不安そうに眉根を寄せた。

「個人のスキルは申し分ないです」

 私は小さく首を振った。

「でも、正直スタンドプレーが目立ちますね」

 そう、それぞれはとても強い。それなりになんとかなってしまうから通常マッチなら特に問題はないかもしれない。
 だけど、大会になると問題は大ありだ。思い思いの行動ばかりしていたら、それはもうチームじゃないし。

「耳が痛いね」
「まあ、実際そうだよな」

 うなだれるカイくんと天を仰ぐ兄に、対照的な反応をすると思った。

「チーム戦で一番大切なのは連携力です。現状報告はもちろん、武器や素材の状況や体力の状態、お互いの位置の把握と戦況の確認、攻撃をしかけるならタイミングや位置の声掛けを。とにかく情報を共有して、状況によっては意見のすり合わせも行って、突発的なことは、対処しつつ報告を忘れないでください」