謎の女性は堂々と城の門から外へ出た。

(どういうこと?衛兵は?)

こっそりと門へ近づく。
左右に立っている衛兵は目を閉じていた。

(え?寝ているの?)

私が近づいても起きる気配はない。よくわからないけど城外へ出るには好都合だ。

私は謎の女性を見失わないように適度に距離を保ちながら後をつけた。幸い木や建物が点在していて、尾行するにはうってつけだ。

やがて女性は森に入った。
私も森の入口までは行ってみたものの、さすがに薄暗く不気味で足が止まった。

躊躇しているとふいに肩を叩かれて飛び上がるほど驚いた。振り向けば怪しげな男性が三人、ニヤニヤしながらこちらを見ている。

「お嬢ちゃん一人なのかい?」

「良い服着ているな。どこかの令嬢か?」

直感的にやばいと思った。

「いえいえ結構です。間に合ってます」

私は全力で拒否する。

「遠慮するなって」

一人の男が私の腕を乱暴につかんだ。