「ちょっと顔が赤いんじゃないか？」

「赤いのは、き、きっと照明のせいだよ」

私はテーブルの上のランプを指差す。
アズールはそれを見ると、そうかと言って手を離した。

くうううっ！
ドキドキしすぎて心臓に悪い。

私は何とか心の乱れを抑えてから、本題を切り出した。

「ジャンクといろいろ話をしたけど、やっぱりただのいいやつだった。でね、ジャンクのお母様が食堂を経営していて、招待されたの。行ってこようと思うんだけど、いいよね？私はジャンクよりお母様のことを知りたいの」

「ジャンクの母？なぜだ？」

「私が本を読んで知っているジャンクのお母様は魔女なの。この世界でも本当かどうか確かめたい。それに、あの魔道具の髪飾りはジャンクがくれたのよ。もしかしたらジャンクのお母様が作ったものかもしれないじゃない」

「念のため聞くが、一人で城の外に出ようとしているのか？」

「そうよ」

私の回答にアズールの眉間のシワが深くなった。