ダメダメ!

私はぶんぶんと首を振る。
私はこの世界を変えるって決めたんだ。菜子好みの夢小説な展開にしてみせる。

私はこっそりと自室を抜け出した。城内の図書館に行くだけだし、お伴なんて煩わしいものはいらない。

アズールのあの冷たい声と瞳を思い出すと、きゅっと心臓が悲鳴を上げた。バレたらきっと怒るんだろう。憂鬱な気持ちを振り払うかのように急いで城を抜け出した。

身軽な私は一人でゆっくりと図書館を見て回る。天井が高く外からの光りも奥までよく届いている。すごく素敵な空間だ。

「シャルロット?」

窓際で日向ぼっこをしながら読書に耽っていた私は、本の整理をしていたジャンクに発見された。

「今日はアズール様は一緒じゃないの?」

ジャンクはキョロキョロと辺りを見回す。

「置いてきちゃった」

「ケンカでもした?」

「そんな感じかも」

あははと笑う私に、ジャンクは柔らかい笑みを落とし隣に座る。