今日のところはすごすごと帰って来た私は、思い出に耽っていた。

ジャンクの積極的なアピールから私を護るアズール。
きゃー!
かっこいい!
アズール素敵!
最高!

だけどアズールは冷ややかだった。
アズールはあくまでもシャルロットの護衛。ただ自分の任務を遂行しているだけにすぎない。

「そんなのわかってるってば」

私は言葉に出して自分に言い聞かせる。
アズールの心がシャルロットに向いてないことくらい、最初からわかっている。小説ではシャルロットはジャンクと結ばれるのだから。

でも……。

菜子であるシャルロットはまったくジャンクに興味はない。ていうか、冷たくされてもやっぱりアズール推しなんだけど。

これってもしかして頑張ったら別のストーリーに変えられたりしないだろうか。さながら夢小説みたいに。

「私がこの世界を変えてやるわ」

決意を新たに、このウィズラブの物語を自分好みの夢小説へと変えることを誓ったのだった。