慌てて返事した。
それからお弁当箱の中のプチトマトをお箸で掴む。
「嘘。全然大丈夫じゃないくせに」
「えっ」
「本当は大丈夫じゃないでしょう?」
「……」
私は俯いた。
だって。
どうしようもないじゃない。
推しは、私の気持ちなんて知らない。
ううん、私の存在すら知らない。
こんなにつらくても。
推しには伝わらない。
私がどんなに好きなのか。
どんなに推してきたのか。
「ね、午後の授業、サボろうよ」
あきらちゃんの意外な言葉に、私は顔を上げた。
あきらちゃんは続ける。
「それで、カラオケに行こう?ストレス発散にもなるし、陸くんへの愛を叫べるよ」