「本当、それな!」
あはははっと笑ってみせる。
そんなふうに笑いながらも、自分の存在の惨めさを感じた。
陸くんの音楽を初めて聴いた時から、ずっと推してきた。
なんて素敵な音楽なんだろう。
なんて胸に刺さる歌詞なんだろう。
好きで、好きで。
どうしようもないくらい好きで。
どうして私は、こんな田舎に居るんだろう?
どうして陸くんのそばに居ないんだろう?
生まれた年だって。
もう少し陸くんと近かったら良かったのに。
まだ未成年の私なんか、30歳の大人の陸くんは相手にしてくれない。
……そんなふうに思えば思うほど。
私はずっと恐れていた。
陸くんの熱愛報道の類を。
何よりもそういう報道が出ることが、怖くて怖くてたまらなかった。