「あきらちゃん!!」



あきらちゃんに駆け寄る。



「昨日の、見た!?」



あきらちゃんが勢いよく私の肩を揺さぶる。

何のことだかすぐに分かる。



「み、見た、よーーーっ」



そう言った私を、あきらちゃんは肩を揺さぶるのをやめて、ぎゅっと抱きしめた。



「大丈夫!みのりちゃんには私がいる!」

「あはははっ、心強いわ」



あきらちゃんの細い体を、私もぎゅっと抱きしめる。

その横から生徒指導の権田(ごんだ)先生が、
「そこー、早く教室に移動しなさーい」
と、注意しにやって来た。



「先生、私達、今忙しいんですよ」



あきらちゃんが私から体を離す。



「はいはい、教室へ急ぎましょーう」



権田先生はあきらちゃんを無視して、私達の背中を押した。