カラオケ店をあとにした私達は、そのまま最寄りの駅まで歩いている。
「あきらちゃん、ありがとうね」
「んー?」
「私、叫べて良かった。陸くんへの想い」
「うん」
あきらちゃんはニカッと笑う。
その笑顔につられて、私も笑った。
ふたりとも目の周りが赤い。
だけどきっと、スッキリした顔になっていると思う。
「パーティー、なんだかんだで楽しかったね」
あきらちゃんがしみじみと言う。
私は頷いて、
「あきらちゃんの推しが結婚した時もパーティー開こうね。今度は私が、あきらちゃんを支えるから」
と、力強く言った。
あきらちゃんはふふっと笑ってから、
「その時はよろしくね。多分、今日のみのりちゃんより、絶対泣き叫ぶと思うし、荒れあれのパーティーになると思う」
と言った。
目が笑っていなかった。