『♪エンディングメロディーは聞こえない
耳に届くのは いつだって始まりのメロディー
エンディングメロディーは聞こえない
きみのスタートを この歌でお祝いしよう♪』
サビを歌うと、また涙声になってきた。
のどの奥がぎゅんっと痛くなる。
……ごめんね、陸くん。
こんなに好きなのに、私は。
陸くんの幸せを心から祝ってあげられない。
間奏に入った。
「みのりちゃん」
あきらちゃんがマイクを持つ。
「陸くんも言ってる!いつだって始まりなんだって!」
「……っ」
「推しとお別れするのも、みのりちゃんの新しい日々の始まりなんだよ!」
あきらちゃんの声も震えている。