ひとしきり泣いたあと。



「最後に歌ってもいい?」



そう言って、私はある曲を入れた。



「『エンディングメロディー』じゃん!」



テレビ画面を見たあきらちゃんの顔が輝く。



「……つらい時、苦しい時。いつだってそばに居てくれた曲です」



そう言って、私はソファーから立ち上がった。



「この曲に何度励まされたか、分かりません!何度救われたのか、分かりません!!」



陸くんの、応援ソング。

何度つまずいても、くじけそうになっても。

諦めることなんてないんだよ。

小さな一歩が、いつか大切な前進に変わるんだよ。

だから、顔を上げて。



……そんなふうに、陸くんは歌ってくれる。