「陸くんは、結婚しちゃったけど」
あきらちゃんは私を抱きしめつつ、背中をさすってくれる。
「『LILIちゃんの陸くん』に思えるかもしれないけど!」
あきらちゃんは力強く続けた。
「陸くんは、ずっと、深森陸であり続けてくれると思う!それはきっと変わらない!」
私から体を離して、じっと私の目を見るあきらちゃん。
「陸くんへの想いとお別れしてもいい、推せなくなってもいいの!でも、でもね!?」
「うん」
「でも、深森陸を好きだった気持ちは、推していた日々は、否定しちゃダメ!『バカみたい』とか、言わないでよ!」
「……うん」
私は小さな子みたいに、こくんと頷いて返事をした。