どんなに大好きでも、これまでのように推せないの。
「LILIちゃんの深森陸」を、応援は出来ても、推せない。
愛せない。
「もう終わっちゃったの」
私の声はどんどん湿っていく。
「陸くんを推していた私の愛しい世界は、陸くんで溢れていた私の青春の世界は、終わっちゃったの」
視界が揺らぐ。
「あはっ、バカみたいだよね?こんなに推して、変だよね?」
遠い世界の人なのに。
届かない想いって分かっているのに。
こんなにも好きになっちゃって。
「バカじゃない」
あきらちゃんは私をぎゅっと抱きしめた。
私の目から涙が流れた。
ポロリ、ポロリと、涙は次から次へと流れていく。