曲が終わる。
あきらちゃんは鼻をすすりながら、
「みのりちゃん、ごめん。陸くんへの愛を叫ぶ時間を、邪魔してしまったよ」
と、涙声で言った。
私は首を振り、
「嬉しかった」
と、正直に伝えた。
こんなに自分を想ってくれる友達に出会えたことを、神様や仏様に感謝したい。
「あきらちゃん」
「なに?」
「私、陸くんのこと、これまで通りには推せないと思う」
さっきから感じていた。
私、陸くんへの愛を叫びつつ、その言葉ひとつひとつが、お別れの言葉みたいだなって。
……そう。
ずっと応援すると思う。
ずっと大好きだと思う。
深森陸の存在を、私から消すなんて、無理かもしれない。
でも。